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コクミンのオタク日記。 銀魂・近土話は2012年5月まで。スラムダンク話は2012年7月以降。
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銀魂・近土・原稿などに関係のない話を、基本的に、ここではしないようにしているのですが、今回は小松左京さん死去という事で、その、ここ読んで下さる方にはまったく興味がないかもね、な話をします。




 *****
映画・ドラマ・漫画・小説・舞台など、色々と物語を伝えてくれるものがあって、そのどれも結構好きなんですが、一番はまった時の興奮が大きいのは、自分には小説かなと。読みやすいのはやっぱり漫画ですが。

で、海外でも大好きな作家さんはいるんですが、海外ものはそんなに読まないので、基本は日本の作家さんが好きなんですが、その中で一番好きな作家さんが、小松左京さんです。
つまり世界一好きという事だ。

小松さんのお話は、たくさんたくさん読んだ。でも小松さんは沢山沢山沢山沢山書いていらっしゃる方なので、全部ではない。
大好きではあるけど、読んだ内の小松さんのお話の全部がオススメという訳でもない。
陰惨な悲しいものや辛いものなどは、どーんとこちらのテンションが下がるし、トラウマっすよ…な、お話もある。
でもあのトラウマいいぜー。すっげーヤだけど、忘れらんない、ぐらぐらブルーだけど、あれはすごかったぜー。
面白いお話でいうと「題未定」。「エスパイ」もいい。「時間エージェント」とか、あとエロ系も、うっひょっひょ、と楽しく読んだ。楽しい系のお話もいっぱい。
短編の「飢えた宇宙」も大好き。でもこれは文体がシリアスなんで、読みやすいのは軽めの文章の上記の方かな。「三本腕の男」とかも面白かった気がするな。

「こちらニッポン…」も好きなんだけど、これは引っ張るだけ引っ張ってそこオチかよ! ていう、小松さんによくある、くーっ、続きも見たーい! なアレなんで、オススメしたいけどできないジレンマ。

胸張ってこれが好き。な、一番好きなお話は「果しない流れの果に」。
これを書いた人を、私は一生嫌いにならない。
恐竜が「音」に気づいて、うるさいと穴を覗き込むとそこには電話が鳴り響いていた。
現代(昭和ですが)に過去の地層から見つかった、逆さにせずとも砂が落ち続ける砂時計。
謎に引き込まれ、一読しただけではもったいない。物語は続くのに、途中にまずエピローグの2がある。
これはもう、エピローグ2を含め、順番に最後まで読んで、最後のエピローグの1を読み終わった後、もう一度エピローグの2を読み返したい。
なんなら最初から丸々、せめてエピローグ2まで読み返したい。
エンドレスエンドというやつではない。エンドはある。
最初に物語のスケールの、宇宙的、時間も空間も越えたような世界感に飲み込まれた後、エピローグ2まで戻り、日本の美しさに涙が出るほど感銘を受ける。
自然描写の美しさ、静謐さを文章で伝えられるということに圧倒される。
難しく考えなくても面白い。べらぼうに面白い。

あと、「復活の日」もいい。
世界中の人が風邪で死ぬ。という話。南極大陸にだけ一部の人間が生き残る。
「日本沈没」「首都消失」もいいんだけどラストの後味のよさから「復活の日」がやっぱり好きだな。
小松さんのお話は、とにかく、むちゃくちゃな設定でも絶対的リアリティがある。説得力がある。湿っぽすぎない情感もいい。登場人物を自然と応援してしまう力がある。

「継ぐのは誰か?」も好き。どきどきハラハラ。
途中出てくるグルだったか賢者が「犬みたいで可哀想と思うのはなぜだろう。犬は人より劣っていると思っているのかもしれないが、犬は人よりすぐれている部分も沢山あるよ。それでも可哀想?」とかってことを語る部分があってですね。これは思い出しの私の言葉なんで、もひとつ賢そうには思えないかもですが(苦笑)、いやーいいんだ。賢い人、好き…。ってなる。単純だから。

前述の大トラウマ話は「汚れた月」。
「星殺し-スターキラー-」もThis is gay。て感じで、うひょー。となる。
「汚れた月」は小松さん好きって人しか読まないように(苦笑)。

小松さんが弱ってらしたのは判っていたので、「虚無回廊」はきっとラストまでは無理だろうな、というかこのお話にラストはあるんだろうか、これがライフワークかな、のんびり追っていこう、と思っていたので、残念というよりは、今までありがとうございます、お疲れ様です、今後も読むから寂しくはないです。といった感じになるんだろうな、と、もう何年も覚悟していて、でもやっぱりいざとなると寂しさはありますが。

まあ、これからも時々、思い出した時に読み返そうと思う。
もしこれでちょっと興味持ったわ、なんて人がいてくれたら、「古い時代の最先端SF」と覚悟して読んでみて下さい。
古い。レトロ。デジタルのなかった時代のデジタル。
でも「昔はよかった」なんて感傷ではなく、かゆいところに手が届く、知識とアイデアと文章力を持った方です。

そんなの言われなくても知ってるよ! て方は、それはそれで「あの本が好き」って一緒にお話して下さい。

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