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コクミンのオタク日記。 銀魂・近土話は2012年5月まで。スラムダンク話は2012年7月以降。
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拍手押して下さる方が一人でもいるってことは、まだ続けてもいいですか。
という訳で調子に乗ってBL西遊記。スタートは5/4からだよ!
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旅を続ける仙道法師一行は、道なき道を歩みます。
その時々で先頭に立つ弟子たちが藪を薙ぎ、しんがりを固めつつの行程です。
「あいてっ」
ある時仙道が馬上で声を上げました。慌てた弟子たちが見れば、仙道法師の首から一筋の血が流れています。
「あー。平気。ちょっと小枝に引っかかっただけ。ぼうっとしてた」
仙道法師は袖の内衣を破ろうとしながら、照れたように微笑みました。と、桜木が軽く浮かび上がりその手をとめ、仙道法師の首筋へ、ぺろりと舌を這わせました。
「ちょ、あの。……桜木?」
顔をのけぞらせながら、仙道法師は馬から落ちずにいられるよう、手綱をぎゅっと握りしめます。
その間も桜木の舌はとまりません。
ゆっくり、ゆっくりと傷口を何度も舐め回します。
その優しい、けれどどこかなまめかしい感触に仙道法師は小さく震えました。
「あの……。さくら、ぎ?」
他の弟子たちは呆気にとられたのでしょうか。風が葉を揺らす音だけが数瞬流れていました。
「よし。これで平気だ。このくらいの傷は舐めてりゃ治る」
間近でニッと笑った桜木の顔に、仙道法師の胸がドキリと鳴りました。けれど悪気のない、それどころかこちらの為を思ってくれた行いに、なにか下心的な意図があろう筈がありません。
「あ、……ありがと」
呟くように言うと仙道は、決まり悪げに沢北、福田といった他の弟子たちへ目をやります。
やれやれと溜息のような長い息を吐き出す福田と対照的に、沢北はなにか言いたげに桜木を指差しながら口をパクパクさせています。
「ん? どうした。これが咄嗟の判断力だ」
威張って胸を張る桜木に、沢北が怒鳴り声を上げました。
「てっ、てめえがちゃんと藪払わねぇからだろが! お師匠はな、馬に乗ってんだよ。その辺きちっと考えに入れて藪払えってんだよ!」
「ぬ? てめー……。オレが先達だってんで妬いてんな?」
「バカヤロウそりゃただの当番じゃねぇか! 先達なら先達らしくちゃんと藪を払えバカヤロウ!」
「妬くな小坊主」
「誰が小坊主だ!」
今日も今日とて賑やかな旅の空、仙道法師は隣を歩く福田と目を合わせ微笑むと、そっと自分の首筋を撫でてみました。
桜木の唾液が効いたのでしょうか、そこからはもう血は流れていません。
なのに舐められていたその部分の熱い疼きは、それからしばらくの間、仙道法師の胸を締めつけていました。
「……しゃれになんねぇ」
吐息のようにかすかにこぼれた仙道法師の呟きは、幸いなことに誰にも聞かれていませんでした。

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どうなの(笑)。

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