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コクミンのオタク日記。 銀魂・近土話は2012年5月まで。スラムダンク話は2012年7月以降。
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BL西遊記。5/4から続いてるよ。

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その後も仙道法師は体が火照って仕方がありません。
ですが桜木は、今度は強く抱きしめたまま唇ひとつ与えてはくれませんでした。
「離せ、よ。お前がヤならオレ自分で……」
かすれがちな声で囁く仙道法師の望みを、桜木はきっぱり否定しました。
「駄目だ」
「っ……!」
悔しくてもがこうにも、桜木の腕はびくともしません。
「なんだよお前、ならお前がすりゃいいだろ? 抱いてくれって言ってんの。それともオレじゃマズくて食えねぇ?」
桜木のものが自分に反応していることは、触れた腹の下で着衣越しにも感じられます。
だからこそ仙道法師は、わざと煽るようなことを言いました。わずかに動く頭を回し、桜木の頬へ再び舌を這わせようともしてみましたが、やすやすと後頭部を押さえられました。
桜木の肩口に顔をうずめながら、仙道法師は観念したように口をつぐみ、体内で暴れる欲望の波に耐えることにしました。
桜木の体温、耳元で聞こえるかすかな呼吸、そして強く抱かれた腕の硬さ、そんなものにすら欲情が募ります。
行き場をなくした脳内の妄想を説伏しようと懸命に経を唱えながら、どれほどの時が流れたでしょう。
ふと体が楽になりました。
気付けば桜木が腕を緩め、顔を覗き込んでいました。
「よし。もう平気になったな?」
言われてみれば確かに、気分は落ち着いています。はぁ、と大きなため息をつくと、仙道法師はにっこりと笑いました。
「ん、なんとか。つき合わせて悪かった」
立ち上がり振り向けば、他の弟子たちの姿が見当たりません。
聞けば一足先に、次の宿営地を探しに行ったとのことです。
「こんな状態のおめーを見せるワケにゃいかねーだろ」
唇を尖らせる桜木の横顔に、仙道法師は小さく自嘲めいた笑みを漏らしました。
「そだな。みっともねーとこ見せちまって、悪かった」
「そうじゃねぇ」
「あ?」
「オレが見せたくなかったんだよっ。おめーがその、あんな、色っぽい……」
口ごもる桜木の頬が朱に染まっています。
「……その割にお前、オレに手ぇ出してくんねーのな」
ぽつりと吐き出した仙道法師の拗ねたような言葉に、桜木は「はっはっは」と嬉しそうに笑いました。
「なんせオレ様の血だからな。栄養満点だ。ヨクボーだなんだって簡単に吐き出されちゃもったいねぇダロ?」
「……え」
「これでおめーにもこの斉天大聖様の血が流れてるってことだ。おめーもオレの子分にしてやろう」
高笑いを続ける桜木に、仙道法師は肩の力を落としました。
「お前オレの弟子のくせに。弟子の子分の師匠ってありえねーだろ……」
「それによ」
仙道法師の脱力した様子を気にもとめずに桜木は、照れたように地面を見つめます。
「おめーと初めてやるのに、その、薬だ血だってそんなもんで興奮させてる状態じゃ、つまんねーだろ。オリャもっとちゃんと……自分で……」
消え入りそうな呟きも、仙道法師の耳にはちゃんと届きました。
「なに? ちゃんと口説いてくれんの? お前が?」
先ほどまでとは違い、仙道法師の声も弾んでいます。
「くっ、口説くっていうか、……そういうんじゃねー!」
「じゃあどういうのだよ?」
「だああっ。その時がくりゃワカル!」
「その時? くんの? へー。そりゃちょっとオレも楽しみだなあ」
すっかりいつもの掛け合いに戻った仙道法師と桜木は、仲間の待つ次の宿場を、そして取経の地である天竺を目指し、歩いていました。

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はっはっは。いやもう本当、お付き合いありがとうございます!
よく一週間も続いたなあ。最後流川も福田も沢北も出番なかったけど(ごめん)。

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