[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
前述の「恋に落ちてしまったー」で、こんな結果が出ました、と教えて下さった方が。
「花道と仙道は指切りをして永遠を誓った、美しくも儚い戀をしていました。花道と仙道は、二人で過ごした思い出をお墓までもっていくでしょう。」
かっ、可愛い!
なに、花仙は儚い系!? くーっ。興奮したので勝手に、小ネタで花仙。
---
「こうしてお前といることも、思い出になっちゃうのかな」
見慣れた海岸線で、ひとしきり波を追いかけて遊んだあと砂浜に座ったセンドーが、ぽつりと言った。
「ああ?」
ガキの頃からきている海は、特に珍しいもんでもない。それでもセンドーにつられ久しぶりにはしゃいで楽しかった。なのにコイツはこんなシンとした声で、なにが言いたいんだろう。隣に座るセンドーの顔を覗き込むように眺めれば、夕陽に目を細めて海のどこか遠くを眺めてからオレを見た。
「それでもいいよ。お前はさ、可愛い女の子と結婚して子供作っていい父親になってさ、そんでその子が中学生とか高校生になった頃に「そういやオレのファーストキスは」って思い出せばいいよ。……そんでいいよ」
「……なんでそんなこと言うんだよ」
こーゆーのはニガテだ。センチメンタルってヤツだ。海で夕陽で隣にはオレが、す、好きなヤツが、いる。
その好きなヤツがなんだか判らんがそーゆーことを言っている。これはセンドーの弱音だろうか。かっ、彼氏としてはヤハリ肩のひとつも抱きしめるべきだろうか。
にわかにドキドキやかましくなる自分の鼓動を持て余しているとセンドーのヤロー、首を傾げてオレを見ながらにっこり笑った。
「べつに。なぁ桜木、折角だから忘れらんねぇようなキス、しよっか」
バカヤロー。だからお前はバカヤローなんだ。オレが、外じゃ駄目だってこれでも我慢してるのとか、全然気づいてねーんだろう。
オレは無防備なセンドーに手を伸ばし、キスをしながらその体を砂浜へ押しつけた。
「桜木?」
どこか戸惑った声を出すセンドーへ、何度も唇を押しつける。口の中だけじゃ足りなくて、鼻の横、唇の端、ほっぺた、まぶた、顔中のどこにでもキスをする。
「なんだよ」
夕陽が、今日最後の力を振り絞ってオレたちの姿を陰にする。強すぎる光に世界中の目が眩んでいればいい。誰もオレたちを見なけりゃいい。
オレは砂まみれになったセンドーの手に自分の手を重ね、小指同士を絡めた。
「忘れねーよ。こんな……人の頭ん中いっぱいにしといて。オレだってまだまだ、いい思い出になんてなってやんねーからな」
その言葉にセンドーは、普段にこにこ笑っている顔を瞬間、歪める。けれど今にも泣き出しそうに思えた表情は、腕を首に回してきたセンドーに誘われるままキスしたせいで、すぐに見えなくなった。
---
あれ? 儚いとか切ないってこんなだっけ?
できてる。てかできてねぇ森仙、小話でも書いたことねぇな! と今思い当った。
森重の存在価値はアレだけ、か…。なんか、ごめんね寛。
---
「お前、オレのこと好きじゃん」
そう仙道がなにげなく口にした言葉に、森重は軽く眉間に皺を寄せた。
「なに言ってんだ」
下らねぇ、と低く声を漏らす森重に、仙道が楽しそうな笑顔を向ける。
「なんで? だってお前、オレで勃つしイクでしょ。それともアレ? お前、嫌いなヤツと抱き合うと勃っちゃうマゾなの?」
あけすけな物言いに、ふざけるなと思いつつ、森重は逆に尋ねた。抱き合って達するのはお互い様だ。
「……じゃあ、あんたはオレが好きなのか」
いつも澄ました仙道が、揚げ足を取られたと膨れるところが見たい。その様子を想像して片頬を歪める森重に、仙道は鼻先が触れそうなほど近づき、にっこりとほほ笑む。
「オレはね、マゾなの」
言葉の意味を飲み込む前に、森重の唇は仙道に塞がれていた。
---
ほんっと、ごめんな寛。
---
「仙道。オレと寝てみないか」
牧さんの部屋で二人飲んでいる時、途切れた会話の合間に言われた。
普段と変わらない口調と内容のギャップに驚いて、オレは首を傾げて牧さんに顔を向ける。
「なにそれ。キャンプのお誘い?」
「そう思うか?」
わざととぼけたことを言うオレを見て、牧さんは口の端を上げ、片目を眇める。
そういう顔は、ずるい。男くさくて色っぽくて、ちょっと好きな顔だ。
「わざわざオレなんか相手にしなくても、あんたならよりどりみどりでしょ」
「そうでもない。それに……」
「なに」
「ただやりたいって訳じゃない。お前を抱いてみたいんだ」
うわぁ。そんなはっきり欲しがられると、オレ、ヤバいんだよ。じゃあいいよって寝てみたくなっちまう。オレで気持ちよくなる人って可愛いなってすぐ思っちまうから。だけどいくらなんでも、流されてそのままってのはマズイだろ。
「今度、整理券作っときますよ」
そう言って酒を呷れば、牧さんは小さく噴き出した。
---
こんだけかい。いや、まぁ、ぼちぼちいこうぜ!
と、どうでもいいこと。藤井さんと松井さんのこの似た感じの名前は、翔陽の永野と高野を思い出させます。
そして唐突に、どうでもいい三井と仙道。
三井「仙道。お前、モテんだろ」
仙道「はぁ。なんすかイキナリ」
三井「とぼけんじゃねー。どっちがホントのモテ男か勝負だ」
仙道「えーっと。朝電話かかってきたり昼休みに呼び出しされたり、放課後に人気のない教室へ連れ込まれたりってのはモテですか」
三井「ヤロー。きっちりモテてやがんじゃねぇかよ!」
仙道「あ、モテてんですかね? じゃあ、ハイ。モテます、オレ」
三井「この野郎自分で言ってりゃ世話ぁねーよ! どうせあれだろ、お前なんかタダレタ人妻とか遊びのOLとかそんなんだろ!」
仙道「や、田岡監督」
三井「あ?」
仙道「全部田岡監督っすよ。朝の電話は練習試合に遅れたからってその後の練習試合の一、二回だけですけど。そっか、オレ田岡監督にモテてたんすねー」
三井「ただの生活指導じゃねぇか!」
この仙道は、判ってミッチーをからかってるんでもいいし、天然で「やった、田岡監督ってばオレの事…!」なんて人でもいい(笑)。
するってーとなにかい。仙道、モテるんでござんしょうなぁ。ええ?
という訳で本日は仙道と一般女子妄想。
オリキャラ全開。
---
「うわ、見てアレ。まーた仙道呼び出し受けてるよ」
昼休み、ちーちゃんの言葉に窓から渡り廊下を覗けば、クラスメイトの仙道が、確かにどっかの女子に呼び止められている。卒業式を控えたここ最近は、それも見慣れた光景だ。
「三年も必死だよねー」
タチバナはポッキーを齧りながら、そんな様子を軽く鼻で笑い、私に話を振ってきた。
「ミズキってマジ、仙道とはなんでもない訳?」
その言葉に私は、思わず鼻水が出そうになった。
「ないない。ありえない。仙道はない」
勘弁してよと手を振って否定する私に、ちーちゃんとタチバナが畳みかける。
「なんでよ。ミズキ仙道と仲いいでしょ。よく話してんじゃん」
「私聞かれたことあるよ。「ミズキと仙道ってつきあってるの?」って。美術の時、隣のクラスの同じ班の子から」
「ないって」
「否定するほど、ってやつなんじゃないのぉ?」
タチバナが、ちょっと醒めた風でいて食い下がる。からかうなっての。
「仙道はー……。ないでしょ。あれは駄目よ」
「でもさ、ミズキだったらマジで告ったらアリかもよ?」
ちーちゃんはそう言うけど、私が駄目って言うのは、仙道がこれまでに何人断ったとかそんなことじゃない。
「見てれば判るじゃん。仙道、絶対私に惚れないもん。私、ちゃんと自分のこと好きになってくれる人とレンアイしたいタイプだからさあ」
なにを納得したんだか、タチバナは私の言葉に何度も頷きを繰り返した。
「あぁ。あるね。ある。アイツそういうトコあるわ」
「でっしょ? 仙道はナイナイ。恋愛対象じゃない」
「ワカルー」
私とタチバナの話に、ちーちゃんは「そうかなあ?」と首を傾げている。
ちーちゃんは可愛い。優しくておっとりしていて、たぶん仙道が好きになるとしたらこんな子なんじゃないかなと思った。
よく判らないけど、私みたいなタイプは駄目だ。それだけは絶対だ。そう思うとなんだか妙に腹が立ってきた。
「大体仙道、モテすぎ。なんで猫も杓子もよりにもよってアレな訳?」
「アレって言ってもスターでしょ、陵南の。顔もいいし背もあるし」
「まぁね、バスケやってるとこは格好いいしさ、確かに優しいし話しやすいけど」
「……この流れだから言うけどさ、私、最初一瞬だけ仙道に惚れてたことあるよ」
「マジで!?」
この中で唯一彼氏のいるタチバナの話に、私は思わず大声になり顔をあげる。
「だってやっぱ格好いいしね。一年の最初の頃は、ちょっといいなと思ってたよ」
「マジ? へぇ……」
それ彼氏の竹下も知ってんの、なんて聞いてもいいんだろうか。他人のレンアイにどのくらい食いついてもいいものだろう。折角仙道から意識がそれた私に、ちーちゃんが悪気なく呟く。
「ミズキなら仙道とお似合いなのに」
そんなこと言われても。だって、あれは駄目だ。絶対私のものにはならない男だ。
賢い私は、身の程を知っている。謙遜じゃない。私には無理だ。
だから私は、仙道には絶対に惚れない。
その時、仙道が教室へと戻ってきた。私たちがダラダラ話す隣の、自分の席に戻る時に仙道は、目聡くポッキーの箱に目をとめた。
「あ、いいもん持ってる」
「食べる?」
散々仙道で盛り上がったし、告られてる……のかどうかはよく判らないけど、ちょこっと覗いちゃったし。
苦しゅうない近う寄れ、とばかりに慈悲の心で一本差し出せば、仙道は腰を屈めて直接それに齧りついた。
「ちょっ、自分で持てっての!」
驚いて目を剥く私に仙道は「ああ」と今気づいたような顔をしてから笑った。
「サンキュ」
私の手から齧りかけのポッキーを取ると、あっさり残りを食べている。
チャイムが鳴り、ちーちゃんとタチバナがそれぞれの席に戻ったあと、私は自分の鼓動をなんとか抑えようと必死だった。
なんで仙道みたいな男がいるんだろう。なんでそれが私のクラスで、隣の席で、格好いいけど優しいけど、絶対手に入らない男なんだろう。
ドキドキする。嫌だ。自分が自分じゃなくなりそうだ。だけどホントは自分じゃなくなるなんてことあるわけなくて告白する勇気もなくて、くっそう。
仙道なんて、大嫌いだ。
---
仙道は罪な人。