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コクミンのオタク日記。 銀魂・近土話は2012年5月まで。スラムダンク話は2012年7月以降。
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「局長。コレ副長から預かってきました」
言いながら山崎が近藤に、クリアファイルを渡す。
かぶき町の片隅にとめた車の中で近藤は書類を受け取ると、「もう帰っていいよ」と山崎へ告げた。
「局長はいつお戻りに?」
さりげなさを装い、山崎が尋ねると、近藤はじっと監察である部下の様子を探るように見つめ、ぷいと顔をそらした。
「さあね」
そのすねた声音にあきれたように、山崎がこれみよがしに溜息をつく。
「なんだよ。だってトシが悪いんだからな!」
気色ばむ近藤に、山崎は事情を促すよう水を向けた。
「トシのヤツ…。「いい天気だな」って言うから俺も「ああそうだな」って。「でもお前の方がもっと綺麗で見てて気持ちがいいや」って言ったら「何言ってんだ、アンタこそ今日はまたどこに出しても恥ずかしくねェ男っぷりだ、アンタに可愛がられる相手が羨ましいや」だって! 「トシこそ格好よくって男前だからさぞかし素敵なお相手がいるんだろうよ」「何言ってやがる」「そっちこそ」って」
「……はあー!?」
何言ってんだこの人。そう呆れ果てて山崎の口から、思った以上の声が出た。
そんな事で屯所飛び出してプチ家出か。苛々した副長が俺を含めた隊士たちをどんな目にあわせたか! 
捨てて帰りてェ、とっとと帰りてェ、ここではないどこかへ行きたい。ここではないどこかって千葉なんだって、スゲーね千葉。ああいっそ千葉に行きたい。
ぼんやりと自分の胸の内でたそがれながら、山崎は大きくひとつ深呼吸をした。
「俺、運転しますんで。とっとと席どいて。助手席なり後ろなり移って下さい」
ここで局長を連れ帰ってとっととあの人の機嫌直してもらわなきゃ、屯所は常に暴風域だ。
「なんだよそれー。ま、ザキがそこまで言うなら仕方ないかなー」
近藤の様子に、なるほど、幕府の犬でもこりゃ食わねェな、とうんざりした。

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リクでいただいた喧嘩ってーのが、こんなんじゃない事だけは判ってる。
これは微妙にバンコランとマライヒだな。
昔GLAYが「ここではないどこかへ」って歌のプロモを千葉で撮ったんですって、ここではないどこかは千葉! とTVで聞いて以来、GLAYには特に興味ないですが、「ここではないどこかは千葉か」と面白い。

拍手、ありがとうございます!!
嬉しかったんで日記書きにきました、ありがとう!!
個別お返事は「お返事」ページに。
サンキューサンキュー。

拍手[6回]

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夏コミ用の入稿が終わって、よっしゃペーパーだ、バカシリアスの小話書くんだ、ひーっひっひ、砂漠の近藤王子と色奴隷トシじゃよ、興奮するのう!
と、書きはじめた途端にバタバタしてグッバイ8月! という訳で、近藤さんどころかオイオイ「あの人とトシなの…?」ってドン引きされそうなトコまでしか書いてないですが、拍手下さった方とかいて、嬉しかったのでここで無理やりさらしておく(笑)。

お礼どころか、おのれ近土サイトで拍手して、これはなんの仕打ちか! って思うかもですが、シャレだから!
と、いう訳で、以下、なんでもOKの方だけどうぞ。

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荒野に、熱い風が吹く。堅い地面に生えたまばらな草の根元で小さなトカゲがきょろりと目玉を動かした。
砂煙が一瞬静まれば、そこへ乾いた砂岩レンガを積み上げたアーチ型の門が現れる。旅人はまず門をくぐった先にあるバザールに、この荒野によくもこれだけの人が、と目を見張った。日よけを兼ねた長い布をまとった人々は日中こそ太陽を避け建物の中で休んでいるが、日が暮れるとともに活気に満ち、通りへ溢れる。
その国のどの場所からでも見えるのが、正面にある壮麗な王宮だった。

この国の王である松平は、警備にと室内に配置された近衛兵である、土方を手招きした。
「よォ。ちょうどいいや。オメーどう思う?」
そう言うと松平が机の上へ、手紙を投げ出す。丸めて届けられたそれは型がついた通り再び丸まり、机を転がる。落ちる寸前それを取り上げた土方は、ちらりと松平を眺めると、その紙へ書かれた文章に目を通す。
遠く離れた大国の使者よりもたらされたその手紙には、この国の王子である近藤を三年間、その国へ留学させろと書かれていた。
「これは……」
眉間に皺を深く刻み、土方はいつにも増した凄みのある顔で松平に視線を戻した。
大国の欲望は計り知れない。経済的に友好関係を保ってはいるが、これははっきりと人質を要求しているのだ。
「弱っちゃってんだよおじさんも。この国にゃアイツしか王子はいねーからよ、こんな危なっかしい話にハイそうですかと乗っちまったら、アイツも洗脳されていずれ国ごと乗っ取られるか、へたすりゃ事故にみせかけて、だ」
だからといって断ればどうなるのか。物理的な距離からして戦になるには多少の猶予はあるだろうが、その大国相手の商売に障りが出るのは時間の問題だろう。この国では大国から食料の大部分を輸入している。それに対してこちらが輸出するのは乾燥に強いハーブやスパイス、特殊な織物に、銀と、貴重な、燃える水だった。
大国の狙いは銀と、燃える水だ。特に燃料となる燃える水をなんとか安く手に入れようといつも躍起になっている。難癖をつけ、戦になるきっかけを作りたいのかもしれない。
「だからと言って、近藤さんをみすみす差し出す訳には……!」
気色ばむ土方に面白くもなさそうな様子で、松平は耳の穴を小指で掻いた。土方は王子である近藤の乳兄弟である。その為、生まれてからほぼすべての時を共に暮らしてきた王子近藤への忠誠心は絶大だった。
「方法がねーでもねェけどよ」
言うと松平は土方の爪先からねっとりと、なぶるように視線を這わせる。松平が口先で、香りの強い紙巻煙草を何度か強く燃え上がらせると、部屋には独特の煙が漂った。
土方の綺麗に整った男らしい容貌は、瞳の奥にどこか潔癖さをまとう。俗を他人事と捉え、孤高に背筋を伸ばし佇む姿は、松平の中にある嗜虐性をそそる。
近衛兵の筆頭を務めるのは王子と乳兄弟だからばかりではない。周囲を認めさせるだけの剣の腕があり、頭も切れた。この美しい男を地へ這わせるのは、なんと甘美な事だろう。
煙草を消すと、松平は大きなサングラスの奥で目を細める。アラベスク模様の彫られた硬い樫のテーブルに置いた指で小刻みにリズムを取りながら、松平は舌で唇を湿らせた。
「トシ。おじさんのおもちゃになれよ」
「なにを……?」
半ば城で育った土方ではあったが、松平と正式に顔を合わせたのは近衛兵に任命されてからの事だった。王としての言葉には無茶も多い。今度はなにを言い出したのかと怪訝に思った土方が眉根を寄せるのを意にも介さず松平は言葉を続ける。
「人質差し出す代わりにこれを、ってオメーどんだけ金かかると思ってんだよ。そのくらいならもういっそあのヤロー留学に出して大国の技術のひとつも学んでこいって言いたいくらいだよ。そこをぐっと堪えて、上げる予定の関税率も据え置いてやろうってんだ。面白くねェからトシ、お前で遊ばせろや」
「なんで俺が」
「そりゃァオメーが、近藤助けたいって一番に思ってるからだろうよ」
「……俺は、なにをすればいい」
「そうだなァ。まず、服脱げや」

遠く、海の町まで外遊に出ていた近藤たちのキャラバンが戻ってきたのは、それから一月ほど経った頃だった。
出迎えにと道や広場へ集まる群衆に手を振り、戻った王宮で、近藤は迎えに壁際へ居並ぶ近衛兵たちへ視線を走らせると、確認するようにもう一度ゆっくりと顔のひとつひとつへ目をくれる。
見慣れた、土方の姿がなかった。
外遊へと連れ立たない時は磨き上げられた城で、近衛兵隊長として一番目立つ場所で、背筋を伸ばし自分を迎え入れてくれるものを。
その後、湯を浴び、食事を済ませたところで近藤は一向姿を現さない土方に焦れ、近侍の一人である山崎へ行方を問うた。
「土方様は、ただいま、王のお務めでございましょう」
伏し目がちに俯いた山崎の言葉に近藤は、ふう、と大きな溜息をついた。
「なんだよ。つまんねーの。人が折角土産いっぱい持って帰ってきたのにィ。あ、ザキにもあげるね、コレ向こうで流行ってたキャンディ。びっくり玉っての。途中で味が変わるの。面白いよ。それからさァ……」
久し振りの母国語のニュアンスにほっとした近藤が、山崎相手にぽつりぽつりと異国の話をし終えても、その日、土方が近藤の許へくる事はなかった。
その後、三日経っても王の姿はもとより土方の姿も宮殿で見かけない。近衛兵の宿舎は宮殿内部の一角にあるが、土方はそこへも戻っていないという。そのくせ行方を聞けば皆、土方は王の仕事だと、所在は王に聞けと言い、口を閉ざす。ならばと王宮の深部、王の部屋を訪ねれば、すげなく立ち入り禁止を告げられ、面会すら断られる。
それでも仕事ならば仕方がないとその日も会うのを断られ、鼻息を荒げながら、王の居室から戻る途中で共に海の国へと行っていた、土方に次ぐ近衛兵の中の実力者、沖田が通りかかるのを呼び止めた。
「総悟。トシ見なかった?」

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ここまでしか書いとらん。続きはアナタの心の中で!

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「トシ。今日なんの日か知ってる?」
「……新年度?」
「ちっげーよ! や、違わないけど、そうじゃなくて。エイプリルフールでしょ」
「ああ。……近藤さん今日も格好いいな」
「おっサンキュー。って違う! それは違う!」
 うるせェなァ、と耳をほじる真似をしながら土方が笑う。
「そーかい。じゃァ格好悪ィ」
「えー。それもなんか凄くヤなんですけど」
「なら、なんて言わせてェんだよ」
 土方が目を細めると、近藤は「そうだなァ」とぐるりと視線をさまよわせた。
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なぜ。なぜ今エイプリルフールか。
そんなの、4/1はすんごい忙しかったから、エイプリルフール? ああ、えーと100万拾っちゃったーって妄想以外で言えたらいいのになぁぁぁって、日がすぎてから考えたからです。
そんで、これを叩き台にサイト更新とかせめて小話にならんかね、っと思ったけど、どうにもならんかったのでここに置いとく。
無駄がない。ネタだってエコロジー! 

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「トシ。今日、満月って知ってた?」
一日の報告を済ませた土方にねぎらいを言った後、近藤は悪戯そうに目を細め、そう言葉を続けた。
「何? …アンタまさかこの寒い中、月見酒なんて言い出すんじゃねェだろうな」
仕事は終わりだとうまそうに煙草を吹かしながらも土方は、ちらりと警戒した声を出す。
短くなった煙草を灰皿に押し潰し、立ち上がった気配に振り向けば、思ったよりもずっと近い位置にきていた近藤にぎょっとした。
「寒中酒もいいけど、今日の俺は狼男」
ニヤリと笑って顎鬚をいじる近藤に、土方はぷっと小さく噴き出した。
「なーに笑ってんだよォ」
近藤が、心外だと唇を尖らせ、土方の肩を抱き寄せる。
「…ゴリラだったり狼だったり、忙しいなアンタも」
土方が腕の中、耳に唇がつく程の距離で囁く。近藤は機嫌のよさそうな土方を満足気に見下ろすと、「いつまでそんな余裕が持つかなァ」と楽しそうに唇を寄せた。

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別に今日満月って訳ではなく、ただもー、いっちゃいちゃの両思いのくっついちゃってデキ上がってる近土さんが書きたかっただけ。

今後書きたいもの。
・格好いい近藤さん
・格好よくって可愛くて、近藤さんにメロメロのトシさん。
・幸せな近土。
・ご用改め沖田と近藤さん。と、できればトシさん。
一番下以外はずっと言ってるね! この後も折々に言う気がするぜ!

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特設ページに11UP。携帯は21、22。

ところで先日、ラピュタ放送だったんだね。以前見た事はあるけど見逃したな…。マスラピュの為に見ておけばよかった。
という訳で、以下唐突にマスラピュ。

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「すみません。寝てました?」
 電話口で彼が言った。以前ふとした事から番号を交換してそれきりで、珍しい。というか彼と電話で話すのは初めてだ。
「いや。起きてたけど」
 こんな時間にと時計を見て、彼は今日、休みなのかなと思う。なら、俺が行かない日でちょうどよかった。一人で飲む為に行く場所だけど、彼がいないとつまらない。
 相手は、俺が週末ごとに通いつめる、バーのマスター。
「よかった。どうしたんですか、今日。現れないから心配で。一人で寝込んでたりしたら大変だなーって」
 彼の明るい声に、なんだか妙に人恋しくなっていた俺はどこかほっとする。
「べつに。ただ今日はちょっと行けなくて」
 いつも金曜日にはそこが俺の指定席だとばかりにカウンターに陣取って酒を飲む。その時、酒を作ってくれるのが彼だ。
「今ね、ちょっと休憩って抜けてるんです。店閉めてからだから12時半……は、回っちゃうと思うけど。俺、そっち行ってもいいですか」
 突然の彼の言葉に驚いた。
「なんで?」
「あなたが、一人で寂しいんじゃないかなって」
 軽い口調に恩着せがましさはなかったが、それこそなんでそんな事が判るんだ。俺が驚いていると、彼が核心を突いた。
「ラピュタ」
「え?」
 そのキーワードに俺がうろたえると、彼が続ける。
「今日、ラピュタ見たんでしょ? 金曜ロードショー。見終わって、寂しいんじゃないかなって」
「なんで判んの?」
 どこかで見られてるんじゃないかと、思わず背後を見回すが、勿論自分のマンションに誰かいる訳がない。
「あっは。ホントに見てたんだ。……酒、持って行きます。二人で飲みませんか」
「……俺んちで?」
「だって俺んち知らないでしょ?」
 確かに昼間、偶然マスターと出会い、彼は一度だけこの部屋にきた事がある。
「いい、けど」
 マスターの弾んだ声に、自分でも不思議な程あっさり答えていた。
「やった。じゃ、仕事終わったらまた連絡します。それまで寝ないで下さいよ?」
 そう言って切られた電話を暫く呆然と眺めていたが、こうしちゃいられない。掃除機はこの時間だからやめにして、それでも片付けくらいしよう。
 彼の、マスターの強引さに、ラピュタの放送が終わった時にいつも感じる寂寥感が霧散する。
 いつしか俺は、まるでこの日を以前から約束していたように彼を待つのが楽しくなってきた。

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この後ラピュタはマスターに食われる。
マスラピュ物語、真面目にやるとパラレルな分だけオリジナル要素入れられるから長くなるね。
ちゃんと一本に書きたいような、それ本当に文で読んでも近土かしら? なような。

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