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コクミンのオタク日記。 銀魂・近土話は2012年5月まで。スラムダンク話は2012年7月以降。
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「山崎。今日のジャンプは」
 煙草を咥えながら、自室で土方が腕を伸ばす。報告を済ませた途端逃げるように部屋を出ようとしていた山崎は、その言葉に首を竦めた。
「今週は合併号なんで来週までありまっせん!」
 ピシッと背筋を正し敬礼した山崎に、土方はすかさず手近のペンをぶつける。
「そりゃ先週だろうがァ!」
 オタクの覇王になるんだと、山崎に言いつけこっそりジャンプを読み込んでいる土方が、ギロリと座ったまま下から睨み付けた。
「いっ、今から買ってきまっすー!」
 そう言い残し走り去った山崎が、やがておずおずとジャンプを差し出した。早ェじゃねーかお前先に読もうと思って隠してたんだろ。そんな事を思いながらもお駄賃だと、部屋の片隅の段ボールに山となったお通チップスを一つ、山崎へ投げた。いつもなら「またコレですか」だの不平を言う山崎が、素直に受け取り退出した事にちらりと不審の目を向けはしたが、今はとにかくこれを読もうとジャンプの表紙を開いた土方の目に、派手なお知らせページが飛び込んだ。
「オイオイオイ……」
 咥えた煙草が乾いた唇に貼り付く。小さく言葉を漏らしながら土方は食い入るように文字を目で追う。
 
 キャラクター人気投票 一人何枚でも応募できるけど同じキャラに応募は無理よ

 その文章を何度も舐めるように読むと土方は廊下に向かって大声を出した。
「山崎ィィィ! 葉書、隊士全員分買ってこいやァァァ!」

 ハイハイ、どうせそうなると思った、もう買ってありますよ。アレでしょ、全員で局長の名前書いて投票しろってんでしょ? あー面倒くせェ。だから今週のジャンプ見せたくなかったんだ。
 以前に貰ったお通チップスの残りを胸焼け気味に食べていた手をはたき、山崎が葉書を持って立ち上がった行く手を沖田が塞ぐ。
「あっ」
 さっと伸ばされた沖田の手に葉書を奪われた。
「山崎、葉書もっぺん全員分買って来いや。領収書土方で」
「へえ、意外だなァ。沖田さんだって近藤さんに入れさせるって頑張るタイプかと思ってましたよ」
 でもそれ返して下さいよ、沖田さんが葉書なんかどうするんですか、と山崎が平和な顔で言うのを聞いて、沖田はフンと鼻を鳴らす。
「バカヤロー折角別人になら何枚でも投票できんだろが。こっちは全員で「トッシー」って書きなせェ」
「えっ」
「あんなに面白ェトッシーを、簡単に消すなんざさせやせんぜィ」
 沖田がニヤリと凶悪に笑った。

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どーします? 人気投票だってよ! こ…近藤さんは、前回の10位キープ…難しいだろうな…。あでもDVDジャケにダブって入ってる人多いし、ああでもやっぱり、楽観視はできないなあああ。
30位以内とかだと嬉しいな…。

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「今日アレだぞ。いきなり寒いぞ」
 登城から戻った近藤が、襟元のスカーフを心持ち引き上げながら土方の部屋へやってきた。
 会議の顔触れを一通り土方に聞かせてやった後、話の合間にそう言うと、派手なくしゃみをひとつする。
「こたつ出すか」
「まだ早ェよ」
 いくらなんでもまだこれで、一応九月だろうがと土方が鼻であしらった。
「じゃあストーブ」
「ふざけんな」
 灯油だってねェだろう、と土方は近藤の軽口に付き合いながら煙草に火を点ける。
「あーもー、晩は羽毛布団出しちゃおっかなァ」
「それ位ならいいんじゃね?」
 局長用の羽毛って布団部屋だな、一回陽に当てとくよう誰かに言っておこう。煙を大きく吐きながら、自分の分はどうしたものかと土方が逡巡していると、近藤がにやりと笑った。
「お前はさ、寒けりゃ俺の布団に潜り込んでもいいよ」
 その台詞に軽く噴き出した土方は、そっちがその気なら、と気取って煙草を吸いながら、顎を呷り気味にちらりと近藤へ視線を流す。
「二人で寝るなら羽毛の布団じゃなくっても、熱くて堪んねェんじゃね?」
 
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いきなり寒いぞ! 皆さんもお体にはお気をつけて、と風邪の先輩から(笑)。

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「トシー」
「ん?」
「あはー。引っかかった」
「いや、今頃そんな、ほっぺツンとかそんなのナシだろ……」
「あっしまった! 惜っしー」
「聞けよ」
「唇ちゅーって出しといたらさァ、コレ、ちゅうってお前とできたんじゃね?」
「いやいやいや。それこそ煙草咥えてたらどーすんの。直撃だぞ。モロだよ。容赦ナシだろ」
「えっじゃァちゅうしたい時どーしよっか?」
「ちゅっ……ちゅう、したいん、だ?」
「したいよー。トシは?」
「したくない、訳でも、ナイ、かな……」


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こんな簡単なバカッポーも大好きだ! 大好きだ!

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覚えてたんだけど忘れてた(酷)!


「ん……今回はこれでいいや」
 既に深夜といえる時刻、屯所の奥の自室で監察の報告書を読んでいた土方は、そう呟くと目の前に膝を揃えて座る山崎に「ご苦労さん」と声をかけた。
「はーい。お疲れさまでっす」
 言って山崎が、何気なく部屋の時計に目を走らせる。
「あ」
「何?」
「や、12時、すぎちゃいましたねー。……俺、昨日誕生日だったんスよ」
「そーかい。そりゃァめでてェな」
 土方はちらとも心のこもらない棒読みで言うと、仕事終わりの一服を気持ちよさげに吹かした。
「思ってないじゃないですか」
 副長らしいやと、山崎が顔へ出さずに苦笑し立ち上がる。
「それじゃ、失礼します」
「ん。お疲れ」
 立ち上がり部屋を出ると、雨戸を閉めてあるとはいえ隙間風の吹き込む廊下を、山崎は肩を竦め歩く。
 一日の終わりに機嫌のいい副長の顔が見れたなら、祝いのない誕生日も、そう悪い日じゃなかったかなと少し笑った。


山崎はオイシイなー。

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