忍者ブログ
コクミンのオタク日記。 銀魂・近土話は2012年5月まで。スラムダンク話は2012年7月以降。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

・拍手、メッセージ、ありがとうございます!
うれしーい。
お礼になるかどうか、いつだって日常と近土とラブラブ大好きコクミンです。

---
「トシ、これ」
夜になり、屯所へ戻ってきた近藤が、部屋で土方へ声をかけ、隊服の内ポケットから小さな赤いリボンがついた包みを取り出した。
透明のビニールの小袋には、やや大判のハート型のクッキーが一枚、見えるように入っていた。
「どうしたの、コレ」
渡されたクッキーを受け取った土方に、近藤はポケットからもう一枚、同じように包まれた、今度は星型のクッキーを渡す。
「クリスマスプレゼント。お前と俺に」
「へえ? 誰から」
どこぞの飲み屋のサービスかとなにげなく尋ねた土方に、近藤は軽く驚いたように「俺だよ」と告げる。
「は? アンタが買ったの? わざわざ?」
「買わなきゃねェよ。お前がさ、物は残るからいらねェとか言うからさ」
帰り道の寒い中、コート着て外でケーキ売ってるサンタギャルから横に置いてたクッキーだけ買ってきた、と制服を部屋用の着物に着替えて近藤が言う。
「や、だってアンタと俺にって言うから」
言いながら土方は、クリスマスと不似合いな自分宛てのプレゼントなんて、たかがクッキー一枚でもなんだか照れくさいと、表情に出さないよう意識しながら、近藤と自分にお茶を入れた。
「で? コレ、食っていい訳?」
「ん。トシにはやっぱハートかな、ってああっ」
言葉と共にハートのクッキーを袋の中で二つに割った土方に、近藤が小さく悲鳴を上げる。
「なんだよ。袋出して割ったら粉出るだろ」
今のは別に照れてたとかじゃなくて普通に習慣だけど、くそ、面倒くせーな、悪かったよ、と土方が口ごもると、近藤は自分用の星型のクッキーを袋の中で二つに割った。
「どうせだから半分こ」
言って封を開けると、近藤は星型の半分に軽くキスをして土方の口元へ差し出す。
「なんだよそれ」
頬の辺りをうっすら赤く染めながらも、土方はとうとう小さく噴き出した。
「あーんして、あーん。来年もいい事ありますように、って。サンタさんよろしくお願いします、ってな」
「クリスマスってそんな行事だったか?」
小さく笑いをこぼしながらも、土方はこのくらいならいいだろうと自分を甘やかす事に決め、唇を開けた。

---
メリークリスマーッス!

拍手[14回]

PR
[560] [559] [558] [557] [556] [555] [554] [553] [552] [551] [550]
カレンダー
08 2024/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
最新記事
ブログ内検索
忍者アナライズ
忍者ブログ / [PR]
/ Template by Z.Zone